音の景観

手水鉢から柄杓で水をすくい、蹲踞前部の海に垂らすと底の辺りから琴に似た音が聞こえてきます。

 水琴窟は、江戸時代初期に著名な茶人であり作庭家である小堀遠州が造り出した、日本庭園に見られる音響装置です。

 地中に埋め込まれた瓶の中の水に、垂らした水滴が落ちる際、瓶内で共鳴して特徴的な音色を響かせる仕組みになっています。
 私達を取り囲む音の全てを、音の風景としてとらえる「サウンドスケープ」という考え方があります。小川のせせらぎ、鳥のさえずり、街を歩く人々のざわめきに電車の発車メロディー。音の世界に意識を向けてみると、改めて様々な音の存在に気づくことができます。
 季節の移ろいを実感できるこの季節に、音を探しに散策してみるのも面白いかもしれません。信濃病院の水琴窟では、優しげな琴の音色にあわせて、木々の緑が風にそよいでいます。